aHUSの治療

aHUSの治療薬として、ラブリズマブとエクリズマブが本邦において承認されています1,2)
(2021年1月現在)

ラブリズマブ:「非典型溶血性尿毒症症候群」を適応症として2020年9月に承認1)

エクリズマブ:「非典型溶血性尿毒症症候群における血栓性微小血管障害の抑制」を適応症として2013年9月に承認2)

1) ユルトミリス®添付文書(第2版)
2) ソリリス®添付文書(第2版)

ラブリズマブ投与※1)

※2020年9月25日に抗補体モノクローナル抗体製剤ラブリズマブにaHUSの適応追加が承認されました1)

ラブリズマブはエクリズマブの消失半減期を長くした長時間作用型の補体C5 阻害薬であり、維持投与の投与間隔が2 週間から4週間または8 週間に延長された2)

補体制御異常による非典型溶血性尿毒症症候群*の患者に使用すること1)
*「 非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015」(日本腎臓学会・日本小児科学会)を参考にすること。

二次性血栓性微小血管症の患者に対する本剤の有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)1)

1) ユルトミリス®添付文書(第2版)
2) Rondeau E, et al. Kidney Int 2020; 97(6): 1287-1296.
エクリズマブ投与1)

エクリズマブの使用量は、年齢、体重により使用方法が異なるので、添付文書を確認する。腎機能低下例でも減量の必要はない。

エクリズマブによる治療後、血小板低下例のaHUSでは1~2週間以内に血小板数の回復が認められる例が多いとされる2,3)。本邦における10例の小児aHUS患者に対してエクリズマブを使用した研究では、aHUS遺伝子変異特定例、および既知遺伝子変異が見つからないaHUS例も、エクリズマブ使用後、1週間程度で血小板数の改善が認められていることから4)、エクリズマブが著効する例は、既知の原因遺伝子変異が認められなくても補体系異常によるaHUSが示唆される。

抗H因子抗体陽性例に関しては、血漿治療単独よりも、血漿治療と免疫抑制薬・ステロイドとの併用により、抗体価を減少させ予後が改善することが報告されている5)。エクリズマブは、抗H因子抗体価を下げる効果はないと思われるが、臓器障害を伴ったaHUSの場合には使用も考慮される6)。抗H因子抗体陽性例に対して、血漿治療、エクリズマブ、免疫抑制薬、ステロイドの中で、どの様な治療法が良いかに関しては、今後の研究課題である。

なお、エクリズマブによる治療が対象となるのは、本邦の2013年の診断基準での補体制御異常によるaHUS、2015年診療ガイドでのaHUS(補体関連HUS)であり、二次性血栓性微小血管症の患者に対するエクリズマブの有効性及び安全性は確立していない(使用経験がない)7)

1) 非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015. 日腎会誌, 2016;58(2):62-75.
2) Legendre CM,et al. N Engl J Med, 2013; 368(23):2169-2181.
3) Licht C, et al. Kidney Int, 2015;87(5):1061-1073.
4) Ito N, et al. Clin Exp Nephrol, 2016;20(2):265-272
5) Fremeaux-Bacchi V,et al. Clin J Am Soc Nephrol, 2013;8(4):554-562.
6) Loirat C, et al. Pediatr Nephrol, 2016;31(1):15-39.
7) ソリリス®添付文書(第2版)

腎移植1)

腎移植

aHUSで腎不全となった患者に対して、腎移植が試みられてきたが、aHUSの原因となる遺伝子変異によって腎移植後の再発率が異なることが知られている。本邦で多いC3や欧米で多いCFHの遺伝子異常では移植後の再発率が高いことが知られている。

一方MCP遺伝子異常や低力価抗H因子抗体では移植予後は良好との報告がある。

近年、再発率が高い遺伝子異常でも、周術期の血漿交換やエクリズマブを投与することで移植後再発を防げたとの報告がある2)

1) 非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015. 日腎会誌, 2016;58(2):62-75.
2) Loirat C, et al. Pediatr Nephrol, 2016;31(1):15-39.
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