- 監修:名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座
腎臓内科学 教授 丸山 彰一 先生 - 名古屋大学医学部附属病院 腎臓内科
講師 加藤 規利 先生
aHUSの定義は?
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)
補体関連因子の遺伝子異常による疾患です。血栓性微小血管症(thrombotic microangiopathy:TMA)の中でも、志賀毒素産生大腸菌感染による溶血性尿毒症症候群(STEC-HUS) 、ADAMTS13 活性低下(<10%)による血栓性血小板減少性紫斑病(thrombotic thrombocytopenic purpura:TTP)、薬剤・移植などによる二次性TMAを除外したものとされています。
※自己免疫性疾患、悪性腫瘍、加速型-悪性高血圧
TMAはもともと全身諸臓器の微小血管の血栓と、血管内皮障害を呈する病態を総称した病理学的診断名です。これは1)微小血管症性溶血性貧血、2)消費性血小板減少、3)微小血管内血小板血栓による臓器機能障害を特徴とする病態で、臨床的には破砕赤血球、血小板減少、血栓による臓器機能障害を特徴とします。TMAの病態を示す代表疾患として、TTP、STEC-HUS、補体関連aHUS、二次性TMA疾患が含まれます。TMAの種類により血栓による障害が起きやすい臓器は異なりますがSTEC-HUSとaHUSは特に腎障害が多いとされています。
非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)診療ガイド2015.日腎会誌, 2016;58(2):62-75.
[利益相反:本論文の著者にアレクシオンファーマ合同会社より講演料、奨学寄付金を受領している者が含まれる。]