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監修: 名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座 腎臓内科学 教授 丸山 彰一 先生
    名古屋大学大学院医学系研究科 病態内科学講座 腎臓内科学 病院講師 加藤 規利 先生
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体の中でどんなことが起こるの?

活性化した補体が細い血管の内側を攻撃することで血栓が形成されます

非典型溶血性尿毒症症候群(aHUS)では、活性化状態にある補体が全身にはりめぐらされた細い血管の内側の細胞(血管内皮細胞)を傷つけます。
血管内皮細胞が傷つくと、炎症などが起こるとともに、細胞の傷に反応して血中の血小板が過剰に活性化されてしまいます。
本来、血小板は、切り傷などを負ったときに傷口に集まることで血液を固める止血の役割を担っているのですが、血管内皮細胞の傷に反応して活性化された血小板は血管内で集まり、さらなる血小板の活性化や炎症に反応した白血球も集まってきて、血栓と呼ばれる血液のかたまりを形成するのです。

制御不能な補体の活性化により、血管が傷つけられ、血栓が形成されます

  • ①正常

    免疫システムの一つである「補体」は、細菌などの外敵の侵入に備えて、自動車に例えるなら常にエンジンがかかった状態(アイドリング状態)になっています。
    細菌などが侵入するとブレーキは解除され、アクセルが踏み込まれることで「補体」は活性化し、体内に侵入した細菌などを攻撃します。

  • ②遺伝的素因

    補体を活性化する何らかのきっかけがあったとき(きっかけが明確でないときもある)、遺伝的素因を持っているとアクセルとブレーキがうまく作動しなくなり、補体をきちんと制御することができなくなる可能性があります。

    ③血管内皮障害

    その結果、活性化した「補体」が自分自身の血管の内側の細胞(血管内皮細胞)を攻撃し、腫脹や炎症が起こります。

  • ④血管内皮細胞の障害と血液凝固

    内皮細胞が障害されると、傷ついた細胞を修復するために活性化した血小板が集まり、そこに白血球も集積して血液のかたまりである血栓が形成されます。

  • ⑤補体介在性のTMA(血栓性微小血管症)

    全身の細い血管の中で血栓が形成されるとさまざまな症状が現れます。

全身の細い血管で形成された多数の血栓が臓器などに影響を及ぼします

『補体制御因子がうまく機能しない → 補体の活性化がコントロールできなくなる → 自分の血管内皮細胞を攻撃してしまう → 血小板などの血液の成分が集まって血栓が形成される』ことは、全身のいろいろな臓器にある細い血管で起こり、これら臓器の損傷や機能障害を引き起こします。
このような病態を血栓性微小血管症(TMA)と言います。
TMAは他の病気でも起こるのですが、aHUSでは持続性のコントロール不能な補体の活性化によってTMAが起こるため、「補体介在性のTMA」と呼ばれます。
補体介在性のTMAは、さまざまな症状を引き起こすだけでなく、症状の悪化が生命をおびやかす事態を招くので、TMAを進行させないようにすることが重要です。